九つ井
「泉」について
古めかしい九つ井の暖簾をくぐると、不思議な階段が現われる。
お店の入り口は全く見えない。
階段は螺旋状に続きお店の名前からすぐに「まいまいずいど」を連想させられた。
下りた先にどんな世界が見えるのかワクワクするそんな絵が描きたくなった。
猫も梟も、白鳥を抱いた若い女を抱いた若い男が踊りながら誘っている。
山羊の上でヴァイオリン弾きがラヴェンダー色の音色を奏でている。
大きなかつらの樹の下で、蕎麦の花を風に舞わせながら踊っている。
中空には山羊と男が「泉」を指し示すように浮かんでいる。
見上げると虎の親子に守られて、泉から勢いよく水が流れ出ている。
赤い鳥が3羽力強く登って行く。
泉は日ごとに新しく枯れることなく湧きだし。
人も動物も命の再生を願って集まってくる。
渇きをいやし、お腹を満たし、心地よい空気を楽しみ、
巨大な階段室がオアシス「九つ井」さんへ誘う楽しみな先導空間になったら嬉しいです。
帰りには板塀に描かれた「蕎麦好きな山羊たち」の絵もお楽しみください。
8月20日東急建設による足場が完成、絵を描く準備ができる。
高さをイメージ
流れ落ちる水を表現
最上部にトラを描く、壁画全体の守り主の場所とする。
入り口に向かい男と山羊が宙を飛ぶ。
連日の猛暑と蚊の来襲に悩ませられながら描き進める。
8月22日一番高い部分の足場がとれる、初めて描いた部分の全貌が現れる。
一本の桂の樹を描くことにした、金を下敷きに対生の葉を描き進める、一枚づつ描く作業に思いのほか手間取る。
足場が全て取り払われ素の壁と向き合う事ができるようになる、高さ対する表現は十分に描き顕すことができたと思う。
踊る女も入り口に向かって蕎麦の花をまきながら楽しげに向かっている。
板塀部分の蕎麦を食べる山羊たちを描く。
入り口の看板九つ井が取り付けられる。
階段入り口近くの壁面の窓にバイオリンを奏でる男と黒い山羊、白鳥を抱く男女、泉に向かう猫や太鼓を持つ梟を描く。
回廊式の階段を絵を見ながら下って行くと九つ井の入り口脇にこの作品のタイトル「泉」が現われる。
この記事へのコメントはありません。