2018/1/6 273×350cm パネル完成。
2018/1/14正月以来取り組んできた大きな構想がまとまる。
今年も家族の紐帯と解体をとして取り上げる。
ここ数年は夜のイメージだったが今年は白昼を舞台としたい。
1/15日制作開始、木炭であたりを取り始める。
制作の進行につれて制作過程をアップします。
目の前のあすなろの天辺にアオサギが留まっていた、参加してもらおうかと思う。
それにしても今年は寒い。
1/18 下描き完成 罫書き線を入れる(ダイヤモンド罫書き)
250番の紙やすりで表面を削り落とし平らな表面をつくる
1/23 油彩による下塗り開始、黄土、ライトレッドなど
1/27 下塗り終了、空、水、家の白等はそのまま残す予定。
1/29 二日ほど絵具を休ませるために4月開催のBギャラリーでのRita Yannyとの二人展出品のドローイング作品を制作、「パストラル」という共通のキーワードを設けたのになぜか渦巻く風の中さ迷う女性が・・・唐十郎の「秘密の花園」寺島しのぶの妖艶な…。
Bギャラリーは僕が敬愛するフランク・ロイド・ライト設計の自由学園に隣接しておりそれはRitaの住むマディソン(ウイスコン洲のキャピタル)がフランク・ロイド・ライトゆかりの地で彼の聖地と言われるタリアセンは郊外の豊かな田園の中に存在し、マディソン市内には数多くの住宅やユニタリアン教会などが残されている。僕自身森の精気を浴びながら田園地帯に住んでいることもありこのキーワードを設けた。
1/31計画にしたがってテンペラ緑土+チタニウム白絵具を置いてみた、なんとなく描いてみた背景の山の形が20年前に住んでいた五日市町(現あきる野市)の我家から西方に望見していた北条氏の出城があった城山の形に似ていることに気が付いた。
2/3 テンペラバーントシェナで全体の明暗バランスをとる
2/8 下手手前の樹木から描きはじめる何層にもわたって絵具を塗り重ね今回はハイライトまで描き入れた、
一部葉の形態から自立した光の戯れを追う事になった。
2/14 上手前の樹木を描き終え遠方の山から描きはじめる。
2/22 遠景に取り組む、錦秋の秋と杉の緑の対比。ナポリ黄、チタン黄、バーミリオン、ウルトラマリーン
2/27 遠景から中景へ景色を設計しながら地道に作業を継続、全体の大気感の獲得を目指す。
3/2 さらにラピスラズリによる水の影、手前の柑橘へと移る。
3/19 久しぶりの撮影 馬、中心人物の表現に進む、顔がイメージと合わず
かなりてこずるも完成図全体の見通しが見えてきた。
同時にさまざまこまごまとしたイメージが出てきた。
庭にカケスが遊びに来た、すぐ下の空地でフキノトウの隙間に野兎のため糞を発見。
3/22
螺旋状の構図が浮かび上がる中で変更箇所が出てきた、上手の男の視線が馬上の
女性の視線と重なり構図に無理が生じることに気が付き帽子で隠すことにした。
人物の詰めの段階に入りタイトル案を幾つか思いついた
錦秋 パラダイス 楽園へ、等の言葉から今のところ「楽園へ」と名付けた。
色彩の場
今回は空の淡い藍色地の淡い弁柄の対比に黄土を絡ませるところから始めた。
これが全体を支配する基本的な色彩の場となった。
テンペラによる下地色のテールベルトが二つの対比の仲介者となっていった。
淡い=明るい対比は高再度の色彩を要求しナポリ黄、ラピスラズリ、朱、鉛白バイン黒などを混色すること無く使用することを可能にした。
天と地は赤と青、その間に在るものたちは黄土と緑土という色彩構成は純度を高める事によってより明解になるという狙いはある程度実現できたのではと思う。
「凱風遠音」2018 273㎝×350㎝ テンペラ+油彩
4/03 一応の完成
最後に二つの鳥かごに反対向きの鳥を配置して筆を置いた。
全面焦点をめざし遠景から始めかなり時間をかけたが息苦しくなること恐れを前景は少し緩めの描写に留めた。
錦秋の大空間と冬から春の季節をあえて同居させてみた、空間構成の螺旋と時間の円環を交錯させ様々な男女の生の現在の場が中央の黒馬の女性を中心に遠く、近く、上から下に、下から上に展開する。
温室、塔、シェルターは僕たちの平常への依代かもしれない、描きすすむ中で自然に画面に出現した。
今回はいつもの年より長く画面の前に居たせいか終盤何度も絵の中に入ってしまう夢を見た。
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