未曾有の大災害となった大震災、皆様はいかがでしたでしょうか、心よりお見舞い申し上げます。
我が家では棚のものや本が幾つか転落、壊れたものもありましたが幸い描きかけた春陽展の作品や人的被害はありませんでした。
しかしその後引き続く余震の中、大きな災害の模様や福島原発の推移が報道されるにつれ心の動揺が始まり不安定な精神状態に陥りました。春陽展の開催も危ぶまれ、このまま描くのを中断することも考えましたが描きかけた作品への思いも断ちがたく思い切って絵を解体し奈良の車木工房を頼りそちらでしばらくの間制作しました。
外界からほとんど遮断された状態で制作する中でようやく落ち着きを取り戻し、帰途に立ち寄った斑鳩の法隆寺で貞観時代よりずっと以前に創られた百済観音を始めとした仏像たちとも久しぶりに対面することが出来ました。
春陽会展も、新美術館が計画停電の中、当初土日開催の方針だったようですが春陽会スッタフ、美術館の努力により時間を少し短縮して開催されることになりました。
今年の作品は「こだま」(油彩、テンペラ273cm×350cm)と名付けました。いまだ経験したことのない中で完成した作品でもあり、お時間が許すならば是非ご覧頂きたいと願っております。