佐々木正人著「知性はどこに生まれるか」講談社現代新書 トルーマンショウという映画を覚えているだろうか。ご覧になっていない方のためにちょっと紹介しよう。ある一人の青年が空間的、時間的環境を両親や妻などの人的な関係も含め、全て本人のためにのみ極めて精巧かつ人工的に作られた観察装置中におかれていて、そのことを知らないのは世界中に主人公のみ・・・。
このところ素材の濃密さに惹かれエンコスティックに取り組んでいる。聞き覚えのない向きも多いのではないかと思うが、この技法の期限は古く、恐らくエジプトの木乃伊の棺桶あたりにあるらしい。アメリカあたりでは結構盛んで、かのジャスパージョーンズの的はこれで描かれていたりする。要するに蜜蝋に顔料を溶かし込めばよ…
いつも起きぬけにブラインドを開けるとそいつが居て、何度かは取り除いたのだが、その場所が彼女のベストポジションらしくついには定位置を確保。去年の寒い夏を何とか乗り切り、この冬の始まりに子孫を残し、干からびて蓑で掃きとられるまでそこにいた。それはよく見かける女郎グモ(絡新婦、斑蜘蛛)で、腹の方をこちらに見せ二間ほどある居間の南窓を占領していた。
「繭袋」、このなんとも魅惑的な素材に出会ったのは1994年のことでした。私の画集のNO.5と7が描かれている紙がそれです。 この紙に出会うことにより私は進むべき方向を見出したのです。少し説明させていただきますと、こうなります。即ち、通常画家が絵を描く場合、洋画家であれば皆様ご承知のように麻布に白色塗料を塗ったキャンバスを画材店で買い求め、市販されている木枠に張ります。